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地方移住のメリットやデメリット、移住前にやっておくべきことは?
働き方が多様化し、リモートワークなどが一般的になったことにより、毎日オフィスに通勤する必要がなくなったという方も多いのではないでしょうか。 そこで今、地方移住をする人が増えているのです。自然の近くで理想のライフスタイルを実現できる地方移住は憧れの生き方のひとつですが、具体的にどんな暮らしなのでしょうか。 今回は「地方移住」について、メリットとデメリットを含めてご紹介します。良いところも悪いところも知っておくと、ギャップを感じにくく、より良い暮らしを実現できるでしょう。 ーー■地方移住のメリット■ 忙しい都会を離れ、地方に移住するメリットは下記のとおりです。 ●自然を身近に感じられる 地方移住が持つ最大の魅力は、自然を身近に感じられることです。都市部の喧騒から離れ、新鮮な空気や緑豊かな景色に囲まれることは、まさに心身の癒しといえます。 ●生活費を安く抑えられる 地方移住の魅力のひとつとして、生活費を抑えられるという点が挙げられます。特に、都市部の高騰する家賃や土地価格と比較すると、地方での住宅コストは驚くほど手頃です。 また、地域によっては、食材をはじめとする日用品が都市部よりもずっと安価に提供されています。地元で採れた新鮮な野菜や果物、地域の特産品などは、品質が高く価格も手頃です。 ●地域コミュニティの絆が強い 地方都市や田舎での生活の中には、都市部ではなかなか経験できない、地域コミュニティのつながりが存在します。この地域の絆は、地方移住における大きなメリットのひとつだといえるでしょう。 ●ワークライフバランスが向上する 都会の忙しい日常から解放されることも魅力です。都会では当たり前の長時間の通勤は、リモート出勤にしたり移住先で仕事したりすることで、解放されます。 通勤時間の短縮により、日常生活にも余裕ができ、趣味や家族との時間を多く持つことができるのです。 ●地域特有の文化を楽しめる 地方移住では、それぞれの地域独自の文化や伝統に触れられることも魅力です。地方ごとに異なる祭りや行事は、その地域の歴史や文化を反映しており、参加することで地域コミュニティとの結びつきを強めることができます。 ●地元の食を楽しめる 地方移住において、特に魅力的なのが食べ物の美味しさです。地方には、その土地ならではの新鮮で質の高い食材が豊富にあり、それらを使った料理は格別の味わいを持っています。 また、地方特有の食文化や郷土料理に触れることも、地方移住の大きな楽しみのひとつです。各地域には独自の食文化があり、地域ごとに異なる特色を持った料理を楽しむことができます。 ーー■地方移住のデメリット■ 様々なメリットがある地方移住ですが、もちろん注意すべき点もあります。しかし、捉え方によってはメリットにもなるので、ポジティブに考えてみましょう。 〇職業の選択肢が少ないかもしれない 地方都市や田舎では、都市部に比べて職業の選択肢が限られる傾向にあります。特に専門的な職種や高度な技術を要する仕事は、地方では求人が少ないことが一般的です。 しかし、地方ならではの仕事もあります。一次産業や地方の文化に携わる仕事などがたくさんあるので、移住を機に新たな仕事に挑戦するのも良いかもしれません。 また、自治体の支援の仕組みなどが整っているので、起業がしやすいというのもメリットです。 〇インフラが不十分な場合がある 地域によっては、医療施設や教育機関、ショッピング施設などのインフラが不十分な場合があります。また、交通手段が限られているため、移動に時間がかかることもあるでしょう。 自分に必要な施設などが揃っているか、移住前にしっかり確認することが大切です。地域によっては車が必要な場合もありますが、車を持てば行動範囲も広がるので新たな楽しみも増えるでしょう。 〇コミュニティが閉鎖的だと感じるかもしれない 地方のコミュニティは密接である一方で、新しく加わった移住者に対して警戒心を持つ場合があります。 しかし、これは地域の人々の立場に立って考えるとわかりやすいでしょう。いきなり知らない人がコミュニティに加わると、どんな人かわからないので、接し方に困ってしまいますよね。 そのため、地域に飛びこみ、積極的にコミュニケーションを図ることが大切です。そうすれば、おのずと溶けこめるでしょう。 〇利便性の低さを感じるかもしれない 都市部に比べて、地方では様々なサービスの利便性が低いことがあります。ショッピングができるお店や飲食店、エンターテインメント施設の選択肢も限られていることが一般的です。 しかし、田舎ならではのアウトドアのアクティビティなど、都会では体験できないことがたくさんあります。地方移住することで、都会で生活していた時とは違った趣味を見つけられるかもしれません。 ーー■地方移住の前にやっておきたいこと■ 地方移住は、メリットもデメリットもしっかり把握したうえで、自分に合った移住の形を見つけることが大切です。では、移住前には具体的にどのようなことをやっておけば良いのでしょうか。 ★移住の目的を決める 静かで穏やかな生活を求めている、自然に囲まれた環境でのびのびと子育てをしたい、趣味を楽しみたいなど、移住の目的は人によって様々です。 それぞれの目的にふさわしい場所は異なるものです。ここで本来の目的と違った場所を選んでしまうと、失敗につながりかねません。 ★移住先の情報をしっかりリサーチする 移住先の地域について、徹底的にリサーチすることが必要不可欠です。気候や生活コスト、医療や教育施設など、あらゆる側面から情報を収集します。 可能であれば、その地域を訪れて現地の雰囲気を感じ取り、地元の人々と話をするのも良いでしょう。 ★資金計画を立てる 地方移住には、それなりの資金が必要になります。移住に伴う初期費用、生活費、緊急時の備えなど詳細な資金計画を立てましょう。 また、収入源についても考慮が必要です。現地での就職やリモートワーク、あるいは副業など、経済的な安定をどのように確保するかを検討します。 ★住宅を選ぶ 住宅を選ぶ</h4> 移住先での住宅選びは重要な要素です。賃貸か購入か、都市部に近いか田舎かなど、様々な要素を考慮して住宅を選びましょう。 自治体がおこなっている「おためし住宅」に住んでみたり、地元の不動産店などに相談したりするのも有効です。 ★地域コミュニティとのつながりを築いておく 移住後の生活では、地域コミュニティとの関わりが重要になります。そのため、可能であれば移住前から地域のイベントや活動に参加し、地元の人々とのつながりを築いておきましょう。新しい友人をつくるチャンスにもなります。 ★ライフスタイルの変更に備える 都市部と地方ではライフスタイルが大きく異なります。 たとえば、自動車の運転やDIYなど、新たな趣味や技能を身につけておけば移住後の暮らしもスムーズになるでしょう。
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自治体の支援制度を活用しよう
全国の多くの自治体では、高齢化などに伴う人口減少の対策のため、移住に関する施策に力を入れています。その中で、様々な支援制度が用意されているため、活用することで移住へのハードルがグンと下がるでしょう。 ■移住奨励金・補助金 多くの自治体では、移住者を増やすために、移住奨励金や補助金を提供しています。これらの制度は移住初期の経済的負担を軽減するために設けられており、住宅購入や賃貸の初期費用、生活設備の購入などに利用できます。 各自治体によって支給条件や金額が異なるため、事前に詳細を確認することが重要です。 ■住宅提供・住宅補助 移住者向けに、安価な賃貸住宅やリフォーム済みの空き家を提供する自治体もあります。これにより、移住希望者は低コストで住宅を確保でき、移住のハードルが低くなるのがメリットです。 また、一部の自治体では、住宅の購入やリフォームに対する補助金も提供されています。 ■就労支援・職業訓練 地方移住者が地域で安定した仕事を見つけられるように、就労支援や職業訓練のプログラムを実施している自治体も多いです。これには、地元企業とのマッチングサービス、キャリアアドバイス、専門技能の習得支援などが含まれます。 ■子育て支援 家族連れの移住者を対象に、子育て支援の制度を設けている自治体もあります。保育料の補助や児童手当の増額、地域の学校や保育施設への優先入園権などが含まれることもあります。 また、子育て支援センターや地域のコミュニティと連携して、家族連れに安心して移住してもらうための取り組みをおこなっている地域もあります。 ■生活支援・相談窓口 移住にともなって生じる様々な疑問や困難に対応するため、生活支援や相談窓口を設置している自治体があります。これには、生活に必要な情報提供や行政手続きのサポート、地域コミュニティとの橋渡しなどが含まれます。 ■支援制度があるおすすめの自治体 全国の自治体では、それぞれが特色ある様々な支援制度を用意しています。そのなかから、いくつかおすすめの自治体をピックアップして紹介します。 ▶北海道足寄郡足寄町「がんばる人を応援」 北海道足寄郡足寄町は、学校給食完全無償化や足寄町学習塾など、足寄町独自の子育て支援が充実しています。 さらに、がんばる人を応援する支援として、医師等就学支援貸付制度や新規就農者経営開始奨励金などの支援制度も整っています。 そんな北海道足寄郡足寄町では、体験移住をすることができます。 就農や就労体験、町民や先輩移住者との交流がメインですが、体験内容や見学施設は希望に合わせてカスタマイズできます。保育所の見学などもできるため、子育てのために移住を考えている方にもおすすめです。 <参考>https://pitamachi.com/municipality/topics/946 ▶秋田県横手市「起業や就農の支援」 秋田県横手市では、県外から横手市に移住して起業した場合、起業経費の50%(最大80万円)が補助される仕組みがあります。安価なインキュベーションオフィスを提供してもらえたり、専門家によるハンズオン支援などを受けられたりするという手厚い支援があるのも魅力です。また、農業を始めたい人をサポートする「農業支援制度」もあります。未経験の方でも集落営農組織や先進農家、農業試験場などで研修を受けられ、農業について一から学ぶことができるのがポイントです。 農機具の購入費用や運転資金を得られる融資あっせん制度などもあり、農家になる夢を後押ししてくれます。 <参考>https://pitamachi.com/municipality/topics/136 ▶いばらき県央ワーキングホリデー 茨城県東海村では、転入してきた新婚世帯を対象として、引っ越し費用や賃貸借初期費用、住宅取得費用を支援する「とうかい住まいる応援補助金」という制度を用意しています。 そんな、茨城県東海村を含む茨城県央の9市町村で「海側の暮らし」と「山側の暮らし」の両方を体験できるプログラムが実施されています。 山と海、それぞれの地域において週3日就労し、アクティビティや地域の方との交流を楽しめる内容となっています。体験した「モノ・コト・ヒト」については、参加する全員でまとめ、WEBメディア用の記事を作成するところまでがプログラム内容です。 最終的には、六本木ヒルズで開催される「いばらき県央PRイベント」で報告を行う予定になっています。 こういったプログラムに参加することで、地域の中に実際に入り、暮らしのイメージをより明確にすることが可能になります。少々ハードルが高く感じるかもしれませんが、思いきって参加すると、新たな発見に出会えるかもしれません。 〇就労先 海側:マルヒ株式会社(ひたちなか市・干し芋製造) 有限会社楠見材木店(那珂市・木材の取り扱い) 山側:有限会社ナガタフーズ(笠間市・栗の焼菓子製造) 保田農場(小美玉市・酪農) 笠間工芸の丘(笠間市・陶芸施設運営) ※就労の際は時給1,000円程度の給与が支給されます <参考>https://pitamachi.com/municipality/topics/167 ▶高知県大川村「れいほく移住体験ツアー」 高知県の北部にある山間地域「嶺北」は、お試し滞在ができる地域もあり、移住者が多いエリアとして知られています。 この「嶺北」でさまざまな生業をしている先輩移住者のガイドによるアクティビティを通じ、嶺北地域の魅力を五感で感じられるツアーが開催されています。 現地集合・現地解散で、さまざまなアクティビティの中から、自分が参加したいものにだけ参加すれば良いという気軽さも魅力です。 また、先輩移住者から「なぜ嶺北に移住したか」という話も聞けるので、嶺北での暮らしがより具体的にイメージできるでしょう。 宿も自分で手配することになりますが、提携している宿泊施設を選べば嶺北地域の観光キャンペーンが適用されます。 ひとりにつき3,000円分のクーポン券がもらえ、地域内のお店で利用できるのでお得です。 <アクティビティの例> ・土佐町:棚田ドライブ+モーニング珈琲 ・本山町:モンベルフェス体験 ・大豊町:Eバイクでのツーリング+人気カレー店でのランチ など <参考>https://pitamachi.com/municipality/topics/564 移住にはメリットもデメリットもあります。どちらも理解した上でしっかり準備することが大切です。 そして、移住をする際は、各市町村がおこなっている支援制度を活用することをおすすめします。移住マッチングサービス「ピタマチ」には、全国の市町村の取り組み情報が集約されているので、欲しい情報がきっと見つかりますよ。 また、自分にぴったりの移住先が見つかる「理想の暮らし診断」などのサービスがあるので、自分に合った移住の仕方に悩んでいる方もぜひ利用してみてくださいね。
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