地方移住で失敗しないためには？｜事前にチェックしたいポイントとは

都会の喧騒から逃れ、田舎で暮らすことに憧れる人は少なくありません。
コロナ禍をきっかけにテレワーク・リモートワークなどの新しい働き方が普及したことで、移住に乗り切る人も増えています。
そのような中、移住後に田舎暮らしでの希望や夢が叶い、移住をしてよかったと感じる人がいる一方で、都会暮らしとの違いに戸惑い、失敗したと感じる人もいるようです。せっかく生活環境を変えるなら、後悔なく楽しみたいですよね。
	
そこでこの記事では、地方移住で失敗しないために事前にチェックしたいポイントについてご紹介します。よくある失敗例もご紹介するので、地方移住を検討している人は事前準備の参考にしてください。

■地方移住に失敗したと感じる主な理由
まずは移住に失敗したと感じた人が挙げる、主な理由をご紹介します。
過去の失敗例を知り、後悔のない移住をしましょう。

〇ライフスタイルの変化に対応できない
地方では電車やバスなどの公共交通機関が整備されていなかったり、1日の運行が少ないことがあり、都会と比較すると利便性が悪いと感じてしまうことが多いです。
また、商業施設や飲食店、娯楽施設が少なく、日々の暮らしにおいて買い物や食事、遊びの場所の選択肢が狭まることが不満となる人もいるでしょう。
こうしたライフスタイルの変化に対応できない場合、地方移住に失敗したと感じてしまうでしょう。

〇移住先で仕事を見つけるのが大変
移住をする場合、勤務地の制限がない職種の人を除き、移住先で新たな仕事を探す必要があります。ただ、地方では企業の数が少なく、求人数も少ない傾向があります。
そのため、希望に近い職種、就業条件の仕事を見つけるのに時間がかかってしまうことがあります。

〇自然環境の厳しさに耐えられない
地域によっては今まで暮らしてきた地域と気候が大きく異なり、環境が辛く感じられることがあります。厳しい暑さや寒さ、雪や雨の多さなど、これまでと気候条件が変わる場合は注意が必要です。
例えば雪の多い地域に住む場合、雪かきや雪降ろしなど、日常生活で大変だと感じる作業をしなければならない場合があります。
こうした自然環境の変化や厳しさに耐えられなければ、移住に失敗したと感じてしまうでしょう。

〇近所付き合いがうまくいかない
移住先によっては、深い人付き合いが求められることがあります。近所付き合いのほか、地域行事やコミュニティへの参加などが必須となる地域もあるでしょう。
そのため、人付き合いが苦手な人や都会暮らしでの人との距離感に慣れている人は、ストレスを感じることがあるかもしれません。

〇予想よりも生活費がかかる
移住前に予想していた以上に生活費がかさむ場合もあります。
例えば、日常的な移動に車が欠かせなくなり、車の購入費や維持費が必要となるかもしれません。
また、空き家や古民家に住む場合は、家の修繕費などが必要となる可能性もあります。
このように、これまでに必要のなかったお金がかかる可能性があり、負担に感じることがあるかもしれません。

【参考】
「都道府県・大都市別企業数、常用雇用者数、従業者数」（中小企業庁）
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/chu_kigyocnt/index.htm

■地方移住に失敗しにくい人の特徴
では、地方移住を成功に導ける人はどのような人なのでしょうか。
ここからは、地方移住に失敗しにくい人の特徴をみていきましょう。

〇自分から動ける人
移住後の生活を充実させるには、自分や家族にとって居心地の良い環境を得られるよう、積極的に動く姿勢が大切です。
例えば、自分から声をかけて人間関係を構築する、さまざまな人から地域に関する情報収集を行うことでお得な情報や注意すべき情報を得るなど、より住みやすくするための行動を起こすことができると、より地域に馴染みやすくなるかもしれません。

〇コミュニケーションが好きな人
田舎暮らしは、自分とは異なる年齢層や価値観の人と前向きに関われる人が向いていると言えます。
また、移住先の土地ならではの文化を尊重し、受け入れる柔軟な姿勢も必要となるでしょう。
地元の人々や文化を好きになることで、その地域がより好きになるかもしれません。

〇自然が好きな人
山や海などの自然が好きな人は、地方の暮らしを楽しみやすいでしょう。
アウトドア系の趣味を持つ人ならより充実した余暇を過ごせるため、都会暮らしよりも満足度の高い生活を送れる可能性があります。季節の変化も体感しやすく、心豊かな生活を送れるかもしれません。

■地方移住に失敗しないための移住活動のポイント
地方移住に失敗せず、満足のいく移住生活を送るにはどうしたらよいのでしょうか。
ここでは、地方移住に失敗しないための移住活動のポイントをご紹介します。

〇移住者支援に力を入れている地域を選ぶ
IターンやJターンを歓迎し、支援制度が充実している自治体を移住先として選びましょう。すでに移住者が多い地域であれば、先輩移住者に悩みや不安などの移住相談をしやすいかもしれません。
また、移住後は移住者同士のつながりもできて、助け合える環境を作りやすいでしょう。

〇短期間の移住や二拠点生活を経験してみる
いきなり永住目的で住むのではなく、短期間の移住や二拠点生活で移住体験をしてみましょう。
可能であれば、春夏秋冬それぞれの環境を体感するのがおすすめです。季節ごとの気温の変化、雪や雨の多さなどを知ることができ、移住後のミスマッチを減らせます。
また近隣住民との交流から、人付き合いの程度も確認できるでしょう。

〇無理なく生活できる地域を探す
移住に失敗しないためには、無理のない生活を送れる場所を選ぶことも大切です。
エリアによって、環境は大きく異なります。生活環境を大幅に変えることに自信のない人は、これまでの環境と近しい場所を選ぶとよいでしょう。
例えば、ある程度の利便性がほしい場合は、地方都市であれば、公共交通機関や商業施設などが比較的充実しているため、都心とのギャップが小さい可能性があります。

〇仕事を決めた上で移住する
移住して生活コストが低くなる可能性があっても、安定的な収入は必要です。移住後に仕事を探そうとしても、地域によっては仕事の選択肢や求人が少ないこともあるのであらかじめ仕事を決めておきましょう。
収入源が決まっていると生活における不安が少なく、心に余裕を持って移住生活を送れます。

■地方移住に失敗しないためにしっかりと事前チェックを
移住後のよくある失敗事例を知り、自分にとってのメリット・デメリットを考えたうえで、地方移住に向けて対策を講じましょう。　

先輩移住者のなかには、移住での失敗を乗り越えた人もいるかもしれません。自治体が行う移住支援のイベントでは、先輩移住者から直接、失敗談や体験談を聞ける場合があるので、参考にしてみるのも良いでしょう。

こうした機会も活用してしっかりと情報収集を行い、「成功した！」と感じられる充実した移住生活を送ってください。