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地方移住後に賃貸物件に住む場合、敷金や礼金などの初期費用のほかに月々の家賃を払う必要があります。地域ごとに異なりますが、田舎は都会と比べると家賃相場が低い傾向にあります。 この記事では、田舎の家賃相場について詳しくご紹介します。また、自治体が整備していることが多い住宅関連の移住支援制度や物件の探し方についてもあわせてご紹介するので、田舎暮らしを実現したい人はぜひ参考にしてください。 ■都道府県別の家賃相場 賃貸物件を借りて田舎暮らしを始めること検討する場合、各地域どのくらいの家賃相場なのか知っておくと、地域選びの材料となるかもしれません。 そこで、ここでは都道府県別の家賃相場をご紹介します。 *都道府県別の家賃相場について 総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、1カ月あたりの家賃・間代の全国平均は5万5,695円と言われています。ただし、都道府県別のデータでは金額のバラつきが見られます。特に、首都圏とそのほかの地方において、金額の差が大きくなっています。 ○都道府県:1カ月あたりの家賃・間代(円) 北海道 :4万1,715円 青森県 :3万8,264円 岩手県 :3万9,990円 宮城県 :4万8,894円 秋田県 :3万9,404円 山形県 :4万2,234円 福島県 :4万1,386円 茨城県 :4万5,231円 栃木県 :4万4,953円 群馬県 :4万2,601円 埼玉県 :5万9,358円 千葉県 :5万7,421円 東京都 :8万1,001円 神奈川県 :6万8,100円 新潟県 :4万5,038円 富山県 :4万2,992円 石川県 :4万4,888円 福井県 :4万2,374円 山梨県 :4万2,592円 長野県 :4万3,252円 岐阜県 :4万4,046円 静岡県 :5万0,038円 愛知県 :5万2,492円 三重県 :4万3,656円 滋賀県 :4万7,947円 京都府 :5万4,605円 大阪府 :5万5,636円 兵庫県 :5万5,337円 奈良県 :4万8,492円 和歌山県 :4万0,984円 鳥取県 :4万0,275円 島根県 :3万9,797円 岡山県 :4万5,489円 広島県 :4万8,361円 山口県 :3万9,559円 徳島県 :4万1,719 円 香川県 :4万4,020円 愛媛県 :4万0,819円 高知県 :4万0,255円 福岡県 :4万8,429円 佐賀県 :4万2,777円 長崎県 :4万0,781 円 熊本県 :4万0,361 円 大分県 :4万1,447円 宮崎県 :3万8,353円 鹿児島県 :3万7,863円 沖縄県 :4万5,560円 【出典】総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 p.11 都道府県別の主な指標」 https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/kihon_gaiyou.pdf 1カ月あたりの家賃は、東京都がもっとも高くなっており、地方の中でも一般的に田舎といわれる地域の家賃相場は、特に低い場合が多くあります。 東京都以外の地域では、東京都の家賃の半額以下となる道府県が多く、地方へ引っ越すことで家賃を下げやすいといえます。 ■田舎への移住で活用できる住宅関連の支援制度 各地域の家賃水準と合わせて確認したいのが、各自治体の行っている支援制度です。制度を活用することによって、移住にかかる費用を大幅に抑えられることがあります。 ここでは、自治体が整備していることが多い住宅関連の支援制度の概要をご紹介します。 ○補助金、助成金 自治体によっては、移住者の家賃を補助する制度を設けていることがあります。制度を利用すると家賃の一部を期間限定で補助してもらえるため、引っ越し後の生活の負担を減らしやすくなるでしょう。 ただし、補助金や助成金を受けるためには、指定された要件を満たすことが求められます。 要件の例として、定住の意思があることや一定期間住み続けること、子育て世帯であることなどが挙げられます。また一人暮らしの場合は、補助上限額が異なる場合もあります。要件は自治体の制度ごとに異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。 ○空き家バンク 空き家バンクとは、自治体が行うサービスのひとつです。空き家の賃貸もしくは売却を希望する所有者と家を探している人を結ぶことを目的として行っています。 空き家バンクの物件に住む人を対象にした補助金制度を設けている自治体もあり、制度を活用することで費用の負担をより減らせる可能性があります。 マンションやアパート、一戸建てのほか、築年月の経った古民家などさまざまな住まいの形態があるので、自分の好みにあった住居が見つかるかもしれません。 空き家バンクに登録される空き家には、民間の不動産会社が扱っていない家もあります。相場よりも安い家賃で借りられるケースが見られるため、住まいを探す際の選択肢として活用するとよいでしょう。 ○定住促進住宅 定住促進住宅とは、移住者の定住促進を目的として自治体によって整備されている物件のことです。 入居条件は、自治体ごとに異なります。利用条件に収入の上限が設定されている可能性があるため、利用を検討する場合は事前に確認しておくとよいでしょう。 ○土地や建物の無償譲渡や貸与 移住促進のため、土地や建物を無料で譲渡もしくは貸与する制度があります。譲渡されるための条件や細かい内容は、制度ごとに異なります。 例として、一定期間賃貸物件として住み続けた後に家の所有権が渡される場合や移住後、数十年にわたって住むことを条件に新築物件や土地が譲渡される場合などが挙げられます。 ○お試し住宅 自治体によっては、移住を検討している人が数日間にわたってお試しで住める住宅を提供していることがあります。利用期間や料金などは地域ごとに異なるため、利用を検討する場合は事前確認が必要です。 自治体によってはレンタカーの貸し出しを行っている場合もあり、車を持つ必要性の有無や地域環境を知るよい機会となります。また、リモートワークで仕事ができる環境か、子育てしやすい環境かなど、お試し住宅に住んでみることで、移住後のリアルな生活に近い環境で移住の検討ができるでしょう。
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■田舎で家賃の安い家を探す方法 では、地域を絞って住まいを探すにはどのような方法があるのでしょうか? ここでは田舎で家賃の安い家を探す具体的な方法をご紹介します。 ○不動産情報サイトで探す 地方の物件を掲載しているポータルサイトで検索することで、条件に見合う家を探すことができます。 ただし、エリアによっては掲載されている物件が少ないことがあるので注意しましょう。自治体が運営している空き家バンクもあわせて見ておくとよいでしょう。 ○地域に住んでいる人に紹介してもらう 地域に住んでいる人とのつながりがあれば、地域の家賃の安い賃貸物件を紹介してもらうというのも1つの方法です。知り合いがいない場合は、お試しで短期間移住している間に地域の人々と交流を深めると、情報を得やすくなるでしょう。 ○住宅に関する支援制度がある地域で家を探す あらかじめ家賃補助制度や助成金制度などのある市町村に絞って、家を探す方法もあります。移住者向けの情報サイトや支援セミナーなどを活用し、情報収集することがおすすめです。 ■田舎の家賃相場を知って地方移住の準備を 地方移住を考えている場合は、各地域の家賃相場を参考に移住先を検討することも1つの方法です。 ただ、実際にかかるお金は、各地域で借りることが可能な住まいの間取りや場所、周囲の環境によっても変わります。 自治体が提供する家賃補助制度や助成金制度、空き家バンクなどの移住支援制度を活用することでお金の負担を抑えられる場合があるので、物件を探す際にあわせてチェックしてみるとよいでしょう。
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