テレワークを活用して地方移住│メリット・デメリットは?
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近年、テレワークの普及によって通勤の必要がなくなった人という人が増加しています。どこでも仕事ができるようになったことで、物価や家賃の高い都心に住む必要性を感じなくなり、住む場所を考え直す人もいるでしょう。そこで注目を集めているのが、テレワークを活用した地方移住です。 この記事では、テレワークを活用した就業スタイル・移住スタイルの種類や、地方でテレワークをするメリットとデメリットについてご紹介します。 テレワークができるようになり、地方移住に興味関心を持ち始めた人、検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。 ■テレワークが普及した背景と種類 ◯テレワークが普及した背景 ICT(情報通信技術)、ITツールを使ったテレワークは、ここ数年で急速に発展しました。 特に新型コロナウイルスの感染拡大後は、まん延防止等重点措置の適用や緊急事態宣言の発令を受けて、大企業を中心に導入されるようになりました。多様な働き方を受け入れる現在の風潮も追い風となり、感染収束後もテレワークの継続実施を決める企業が増えています。 また、リモートで仕事ができるようになり、働く場所の制限が少なくなったため、今までの勤務地から離れて郊外や地方へ引っ越す人も増加傾向にあります。 ◯テレワークの種類 テレワークは主に以下の3種類の就業スタイルに分けることができます。 1. 在宅勤務:自宅を就業場所とする働き方 自宅を離れずに働けるため、仕事内容や条件によっては育児や介護との両立がしやすい働き方です。通勤時間がなく、ワークライフバランスをとりやすくなるでしょう。 2. サテライトオフィス勤務:会社が用意しているオフィススペースでの勤務 会社が提携するコワーキングスペースを利用する場合もあります。出勤の必要はありますが、会社とほぼ変わらない環境で働くことができます。 3. モバイルワーク:自宅以外のカフェやホテルを利用した働き方 出先のカフェや出張先のホテルでも仕事ができるため、隙間時間を活用できて生産性の向上が期待できます。 テレワークの導入によって、地方への移住や、週末だけ地方で暮らす二拠点移住など新たな暮らしの選択肢が得られるでしょう。 ■地方でテレワークをするメリット・デメリット 地方でテレワークをする場合、働き手にはメリットとデメリットがあります。 地方移住を検討している場合は、それぞれをあらかじめ知っておくことが大切です。 ◯地方でテレワークをするメリット ・広い家で仕事ができる 一般的に、地方は賃貸物件や土地の相場などが安い傾向にあるため、首都圏に居住する場合と比べて住居費を抑えることができます。また同時に、広さにゆとりのある住まいで暮らせる可能性があります。広い家で在宅勤務をしたい場合、家賃や土地代の高い都心よりも仕事の環境を整えやすいといえるでしょう。 ・自然が豊かな環境で充実した働き方を実現しやすい 地方は都心と比べて緑が多く、移住する場所によっては自然豊かな環境で働けます。季節の変化を感じながら、心穏やかに過ごせるでしょう。近くに海や山、川がある場合は休日にアウトドアを楽しむことができ、オンオフのメリハリもつけられます。 ・条件によっては移住支援金が支給される 地方創生を目的として、移住支援制度を設けている自治体が増えています。移住推進施策の一環として、都心からの移住者を対象に支援金の支給が行われています。一定期間、東京23区内に在住または東京圏から23区内に通勤していた人が、東京圏外または東京圏のうち条件不利地域の市町村に移住した場合など、支給には条件があります。受給することで、移住に伴う費用を抑えることができるかもしれません。 【参考】内閣官房・内閣府総合サイト「移住支援金」 https://www.chisou.go.jp/sousei/ijyu_shienkin.html ◯地方でテレワークをするデメリット ・移住先から都市部への出社に対応しにくい テレワーク中の従業員も、業務上の理由から出社を求められる可能性があります。 場所によっては、都心部へのアクセスに新幹線や飛行機の利用が必要となり、移動時間と通勤費用の負担がかかります。通勤手当については、多くの企業で上限を設けているため自身の出費が多くなってしまう可能性もあります。 ・移住した地域の交通の利便性が悪い傾向にある 地方では、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、郵便局や銀行など生活利便施設が少なかったり、アクセスがしづらい傾向があります。そのため、仕事に必要な参考書、備品などの買い物がしづらい可能性があります。 また、場所によっては、オフラインでのセミナーや勉強会などに参加しづらくなる懸念もあり、仕事に支障が出てくるかもしれません。 ・現地の地域性や気候風土などに慣れる必要がある 地域ごとに独自の文化やコミュニケーションの形があったり、暑さや寒さが厳しかったりすることがあるでしょう。 移住する場合は、これらに慣れる必要があります。これまで暮らしていた環境からの変化に不安やストレスを感じてしまう人もいるかもしれません。
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■テレワークを活用した地方移住の選択肢 移住には、U・I・Jターンや二拠点移住など、さまざまな移住のスタイルがあります。テレワークを活用して移住する場合のそれぞれのメリットを解説するので、希望の暮らし方・働き方に合った移住方法を検討してみてください。 ◯Uターン移住 地方から都市部へ移住した人が、再び生まれ育った地方へと戻ることを指します。 慣れ親しんだ故郷で働けることが、Uターン移住のメリットといえます。離れていた家族と暮らしながら働くことができるかもしれません。在宅勤務中は、炊事や洗濯、子育てなどのサポートが期待できるでしょう。 ◯Jターン移住 故郷に近い、地方都市に移住することを指します。 暮らしやすいと感じる地方都市に住みながら、故郷にも帰りやすい点がメリットといえます。地方都市はカフェなどのワークスペースが充実していることが多いため、自分のスタイルに合ったテレワークを行いやすい環境です。昨今では、社員の働きやすさを考慮して、地方都市にサテライトオフィスや支社を設けている会社も多くあります。 ◯Iターン移住 都市部出身者が、地方に移住することを指します。 旅行などで訪れた地域に魅力を感じて、移住を決意するケースが多いでしょう。業務の都合で出勤することがなければ、理想的な暮らしを実現できる地域を追求することができる点がメリットといえます。 また、起業や独立にあたって、地域の特性や経済資源、支援制度を考慮して、Iターン移住する人も少なくありません。 ◯二拠点移住 都市部にある自宅とは別に、地方にも生活拠点を構えることを指します。「デュアルライフ」ともいわれ、都市部と地方それぞれのよいところを味わえるメリットがあります。都市部でも暮らしたいけど、地方での暮らしも楽しみたい、という人におすすめの暮らし方です。気分や仕事の状況に応じてテレワークする場所を選べる点もポイントです。 ■テレワークを活用した地方移住の実現を テレワークの普及によって働く場所の制約が少なくなり、地方移住のハードルが低くなっています。自分はどこで暮らし、どのような働き方をしたいのか、改めて検討してみても良いかもしれません。 ただ、テレワークを活用した地方移住には、メリットとデメリットがありますので、あらかじめ注意しましょう。自分に合った就業スタイル・移住スタイルを検討し、ぜひ理想の暮らしを実現してください。
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