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【本山町】地域と共に歩んだコンビニを継ぐ!

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投稿日:2025/11/5 更新日:2025/11/5
  • \mission!/地域と共に歩んできたYショップをリノベーションせよ!
    
    吉野川の上流に沿って広がる本山町は、山と川と人とが寄り添うように暮らす場所だ。
    朝。谷を包む霧が少しずつ晴れていくと、川面がきらめき、遠くの山々が一枚ずつ幕を開けるように姿を見せる。秋の午後には、町全体がやわらかな黄金色に包まれる。遠くの山は赤や橙に染まり、吉野川の水面はその彩りを鏡のように映す。風が吹くたび、落葉が舞い上がり、空へと吸い込まれていくようだ。
    
    「Yショップ本山店」は、その吉野川の畔に立つ。店の前を国道439号が走り、対岸には帰全山公園が広がる。公園北側には「モンベル アウトドアヴィレッジ本山」が立地している。
    
    「昔は多くのお客さんが来店して、それはもう忙しかったですよ」
    店主の畠山和義さん(78)が往時を振り返る。父茂雄さんの酒屋を継いで、平成10年にYショップをオープンさせた。周辺では唯一のコンビニに、地域の老若男女が大勢来店した。最も忙しかった思い出はクリスマスケーキ。24日には予約のケーキを配達するのにてんてこ舞いだったそうだ。
    
    店独自の商品も開発した。食材を調達して店舗内で作る「オリジナルハンバーガー」。付近の学生をはじめ、県外客にまで評判となり、毎日すぐに完売する大人気商品だった。「若いころ、Yショップのハンバーガーをよく食べた」という地元住民は数多いという。
    
    ピーク時には年商が1億円を超えていたそうだが、酒類の規制緩和や競合店舗の出店などが響いて、最近は売上高が減少。「高齢に加えて、病気で体調もすぐれない。誰かに後を任せたい」として、広く後継者を募ることを決断した。
    
    店舗のある敷地は吉野川の河畔にあり約300坪と広い。約40坪の店舗は敷地に下駄をはかせて国道に面した造りになっている。階段を店舗下に降りると、吉野川の雄大な景色が一望できる。今の店舗は川が見えない形状になっているが、川側に窓を開けると、その情景も楽しめそうだ。
    
    「この立地条件を生かせば、色んな可能性が広がると思う。自由な発想で、今の商売をリノベーションして、新たな商店に生まれ変わらせてほしい」
    店舗下から見える吉野川を見つめながら、畠山さんが力を込めた。
    
    本山の自然は、けっして派手ではない。しかし、静かで、深くて、心に沁みる。山々や川が織りなす大自然そのものが、住民の暮らしを見守ってきたことを物語る。
    
    地域と共に歩み、人々の生活に寄り添ってきたYショップも、そんな存在だったのではないだろうか。この店舗に新たな息吹を芽生えさせ、次の世代に繋げるような、素晴らしい出会いに期待したい。

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